~事務局通信 vol.15~映画紹介

皆さん、お疲れ様です。今日は久々の雨ですね。

明後日は、長崎被爆75周年です。
で、今回ご紹介する映画は長崎の原爆で亡くなった青年と、その母親や恋人のその後の生き方を描いた心温まるファンタジー映画、『母と暮らせば』です。

(あらすじ)
長崎で助産婦として暮らす伸子(吉永小百合)の前に、原爆で亡くなった息子・浩二(二宮和也)が幽霊となって現れます。たまに現れては他愛のない会話などをして、親子の楽しい、不思議な時間を過ごしていきます。また浩二は恋人の町子(黒木華)が忘れらないですが、伸子から「あの子の幸せを考えないと」と言われます。また町子のほうも浩二への想いを断ち切れず・・・。

(感想)
原爆によって一瞬にして命を奪われた浩二の悔しさ、無念。本当だったら町子と一緒になり幸せに暮らしていくはずでした。町子もまたずっと浩二を忘れられず前に進めません。自分が生き残って、幸せになることへの罪悪感もあります。伸子は、浩二の遺骨、遺品さえ何一つ残っていなかったので、死んだとは諦めきれず日々を過ごしています。これは映画ですが、このような思いを抱えて生きてきた人は数多くいたと思います。

私の義父は85歳で亡くなりましたが、80歳近くなるまで、原爆の体験を一切語っていませんでした。なので家族は誰もそのような経験をした事を知りませんでした。
80歳近くなって、自ら話をするようになりましたが、その体験は悲惨なものでした。義父が18歳の頃、ちょうど今の長崎大学の近くにある三菱の工場で写真の現像をする仕事をしていたそうです。そして8月9日、原爆が落とされました。義父は頑丈な建物の中にいたので難を逃れましたが、外にいた友人は片腕が吹き飛ばされていたそうです。しばらくして、寮に帰ろうと外に出たら、そこは地獄でした。
黒こげになった死体が道のあちこちにあったり、全身やけどで皮膚がボロ布のように垂れ下がって歩いている人がいたり、電車が止まっていたので近づくと、つり革につかまったまま黒こげになった人達。
義父は、本当に運が良かったのでしょう。その後は無事に実家(小浜)に戻り、公務員として働き、これといった病気もせず、趣味の釣りを楽しんで8年前に亡くなりました。
でも、その原爆で体験したことは60年以上語ることはありませんでした。とても話せなかったんでしょう。ずっと胸の奥にしまいこんで苦しかったと思います。知り合いから語りべになってくれと頼まれたそうですが、とても出来なかったそうです。
私の祖父も若い頃、戦争に駆り出されそのまま戦地で亡くなっています。写真もないので、顔も見たことありません。
皆さんの身近でなくても、さかのぼれば戦争で命を落としたり、辛い思いをされた方がいらっしゃるでしょう。私達は、悲劇しか生み出さない戦争を二度としないと、その方達に誓わないといけませんね。

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